館山・南房総のご当地グルメ。寿司と地魚料理 大徳家で食べるべき一品は…「本日のおまかせにぎり」３３００円

鮮やかで華やかな見た目もすでに美味。しかしその真価は、ひとつづつ異なり質の高い魚や素材の寿司ネタを口に運んだ時に奏でられる幸せな協奏曲の美しさにある。

私たち編集部の選んだ食べるべき一品は・・・

「本日のおまかせにぎり」かに汁つき。

お寿司全体に言えることは、酢飯が強く主張することなく地魚など素材の旨さをじんわり濃厚に感じます。そのバランスがすばらしい。

地元のお米と大徳家の井戸水で炊いたシャリ。

お皿の上に並べるお寿司の置く位置もキレイに美しい見た目を考えておられるので目でも楽しんで、かつ新鮮なお魚を使い、そして色合いや旬がバランスよく入るように盛り付けを意識されています。

仕入れ状況によってお魚は変わります。

今回のネタは

天然ひらめ

本鮪の腹とろ

活け締め縞鯵イクラ乗せ

天然さんぱく（ブリ）

子持ちヤリイカと飛び魚の卵

生うに厳選特級品

にし貝の地酒蒸し

自家製厚焼き玉子

大徳家式煮あなご

熟成真鯛（高倍醤油漬け）

南房総産地あじ

天然すみいか（梅肉添え）

地魚をお米もお水も地のものを使う事で本物の地魚の寿司が提供できるのではないかと考えた大将。

お魚が主体なので酢飯は名脇役になってもらい強調しない様に、また、出前などで時間が経っても美味しく食べられるようなシャリのお酢を目指し、酢を混ぜて独自でブレンドし中口の多少甘めの寿司酢を使っておられます。

醤油もただの醤油ではなくさまざまなものをブレンドして作られているこだわりよう。

蟹汁はかつおだし、蟹のうまみも存分に出てうまい。

食べるべきもう一品

「なめろう」1100円

お皿をなめるほど旨いということでなめろうと名前がついたともされる漁師料理。そのなめろうを150年前にお店のメニューとして初めて出したのがこの大徳家なのだそうです。

お皿にくっつくくらいの粘りがあるのが本来のなめろうであり、そのためには、かなり細かく細胞を叩き潰し、うま味を引き出す必要があるとのこと。

とにかくこのお店のなめろうの特徴は、味噌をいれて粘りが出るまで、徹底的に細かくたたき旨味を引き出したものであり、かなりねっとりと濃厚です。

そのなめろうをアワビの器に入れて、山仕事に持っていき、山小屋で焼いたら美味しかった。それが、山の家の焼き物ということで「さんが焼き」となったとお話いただきました。

150年前に提供しはじめたころからレシピは全く変わっていません。

「厚焼き卵おつまみ」
2個分600円、一本2200円（テイクアウト可能ですが、ご予約お願いいたします）

卵焼きは卵と砂糖、塩、酒だけでシンプルな味付け。一枚焼くのに生地を鍋に流したら、弱火で40分かけて巻かずに焼き上げる。

たまごに出汁がゆっくりと香り、たまご本来の甘さとおいしさ、なつかしさもありつつ、上質なお菓子のよう。

栗原さんのブログで、卵焼きを作る工程が紹介されています。

お店のはじまりと店主の想い

創業1869年7月

店主の栗原さんは、東京の銀座のお寿司屋さんで11年修行されていました。先代は修行から帰ってきて二年後に亡くなったため、そのあとを引き継いだそうです。

そして、現在は息子さんが修行にでていて10年経つそうですので、今後の大徳家さんも楽しみですね！

店主さんとのお話語録